『フォートナイト』は、リリース以来、5つのチャプターに分かれて進化を遂げてきた。各チャプターは、テーマやゲームプレイ、ストーリー展開に独自の特色を持ちながら、プレイヤーに異なる体験を提供してきた。 中でも、チャプター2の後半はシリーズのピークとして評価され、一方でチャプター3や5では不満の声も聞かれた。なぜ一部のチャプターはプレイヤーの心を掴み、他は失敗に終わったのか。 この記事では、これまでの全チャプターを振り返り、どの時代が最も「フォートナイトらしかった」のかを探っていく。

第5チャプターの評価:期待外れのシナリオ展開

第5チャプターは2023年12月に開始され、意欲的なテーマの数々を展開しているが、プレイヤーの間では失望の声が少なくない。シーズンごとに異なるテーマ──ギリシャ神話や荒野の戦士、マーベル・コミックスのヴィランであるドクター・ドゥーム──が登場するものの、どのキャラクターもストーリーへの深い影響を残せていないと指摘されている。

さらに、ドクター・ドゥームの敗北を描いたイベント「Absolute Doom」は、物語のクライマックスとして期待されていたものの、予想よりも淡白な結末に終わった。こうした要素が原因で、第5チャプターのストーリーは一貫性に欠け、プレイヤーに強い印象を残すことができていない。

ゲームプレイ自体は楽しめる一方で、物語の軽視が批判の的となっている。「社会」や「ゼロポイント」といったシリーズの根幹に触れる重要な要素も、このチャプターではほとんど活用されておらず、これまでのチャプターに比べると没入感が希薄であるといえる。今後の展開次第で評価が変わる可能性もあるが、現時点ではシリーズの他の時期と比べて低評価となっている。

「チャプター3」の急速な展開がもたらした功罪

チャプター3は、2021年12月から2022年12月までの短期間で展開され、全4シーズンという構成が従来のチャプターと比べて急ぎ足に感じられた。このチャプターでは「The IO」との戦いがシーズン2で終息し、その後の展開では「The Nothing」という新たな脅威が示されたものの、十分に描かれることなく終了してしまった。

多くのプレイヤーがこの急展開に不満を示しており、特にシーズンフィナーレのライブイベント「Fracture」は期待外れとされた。しかし、短期間にもかかわらず、チャプター3には「Collision」といった印象的なイベントもあり、一部のファンからは好意的に評価されている。

また、急速なアップデートの連続は新鮮さをもたらした一方で、安定したゲーム体験を望むプレイヤーには負担となった。チャプター3の教訓は、内容の充実と展開速度のバランスをいかに保つかという課題を『フォートナイト』に投げかけたといえる。今後のチャプターにおいて、どのようにそのバランスを取るかがシリーズの鍵となるだろう。

最も高く評価された「チャプター2」の後半期

チャプター2の後半は、シリーズの歴史の中でも特に評価の高い時期とされている。ゼロポイントを巡る戦争やエイリアン侵略といった大規模なイベントがプレイヤーを巻き込み、ゲームと物語が見事に融合した時期であった。 このチャプターのシーズン7では、プレイヤーがエイリアンと戦い、ゼロポイントを守るための戦いに参加することができた。

また、チャプター2のフィナーレは、シリーズ史上最高の結末とされ、プレイヤーにとっても忘れがたい瞬間となった。 この時期は、ゲームプレイとストーリーのバランスが取れ、シリーズ全体の完成度を引き上げたと言える。エピックゲームズがこの成功をどのように次のチャプターに活かすかが注目されており、今後の展開がファンの期待を裏切らないものになるかが重要である。

プレイヤーの心を掴んだ「チャプター1」の遺産

チャプター1は、『フォートナイト』の礎を築いた時代であり、多くのプレイヤーにとって特別な思い出が残る期間である。2017年に始まったこのチャプターは、シーズンを重ねるごとにその魅力を増し、バトルロイヤルゲームの基盤を確立した。 特に、シーズン6以降の展開はプレイヤーの心を掴み、マップの変化や新しい要素の追加が常にゲームを新鮮に保った。

Mechの登場やイベント「The Devourer of Worlds」でのガラクタスとの戦いなど、プレイヤーの記憶に残る瞬間が数多く存在する。 チャプター1の成功は、後のチャプターに多大な影響を与え、今なおファンの間で「チャプター1のマップ」を懐かしむ声が絶えない。エピックゲームズがこの遺産をどのように次のチャプターに活かすかが、今後のシリーズの成否を左右する要素となるだろう。