Coldplayとマイルズ・スミスが、人気オンラインゲーム「Fortnite」のメタバースで新たな音楽イベントを展開する。ColdplayはiHeartRadioと協力し、最新アルバムに基づく「Moon Music Album Experience」を公開。プレイヤーは月面基地やロケット、コンサートステージを建設しながらバンドの音楽を楽しめる内容となっている。
一方、Sony MusicとRCA Label Group UKが手がけるマイルズ・スミスのバーチャルコンサートは、特設アイランドでアバターによるパフォーマンスを展開。各楽曲ごとに異なるビジュアル演出が施され、音楽と視覚の融合を目指すイベントとなっている。
Coldplay、iHeartRadioと連携した「Moon Music」体験を発表
ColdplayはiHeartRadioと提携し、FortniteのiHeartLand内で「Moon Music Album Experience: A Gamified Tycoon Adventure」を開始した。この体験は単なる音楽鑑賞にとどまらず、プレイヤーが参加できる要素を強く打ち出している。
ゲーム内では、プレイヤーがロケットや月面基地、さらにはコンサートステージの構築を手がける。この過程で、Coldplayの最新アルバムの楽曲を聴くことができ、さらにバンドメンバーのコメントも楽しめる工夫がなされている。「Moon Music」の体験は、iHeartLandのState Farm Parkエリアで開催され、2022年の開設以来、50を超える音楽・ポッドキャストイベントを行ってきたiHeartLandにおける目玉イベントの一つとなっている。
Coldplayは、リスナーにとって音楽体験がただ受動的なものではなく、ゲームを通じて能動的に楽しむものへと進化する可能性を示している。メタバース内での参加型イベントは、音楽業界にとって新たなマーケティング手法として注目されており、特に若年層の関心を集める試みでもある。
プレイヤーが参加する月面基地建設とコンサートステージの制作
Coldplayの「Moon Music Album Experience」は、音楽鑑賞と建築シミュレーションを融合させたユニークなイベントである。プレイヤーはゲーム内でロケットの設計から始まり、月面基地やコンサートステージの建設を進めていく。この一連の作業は、Coldplayの音楽を背景に、段階的に展開される。また、ステージの完成後には、バンドの新曲を使用した仮想ライブも行われる仕組みだ。
こうした没入型の体験は、プレイヤーに音楽への親近感を生み出し、ファンエンゲージメントの向上を図る意図がある。さらに、月面という非日常的な舞台設定により、従来のライブ体験では得られない幻想的な雰囲気を提供することができる。
iHeartRadioとの協力によって、このイベントは既存のColdplayファンだけでなく、Fortniteのプレイヤー層にもアプローチすることが可能になった。音楽とゲームが交差するこの新しい取り組みは、今後のエンターテインメント業界におけるスタンダードとなる可能性を秘めている。
Sony Music協力でマイルズ・スミスがバーチャルコンサートを開催
マイルズ・スミスは、Sony MusicおよびRCA Label Group UKの協力のもと、Fortnite上でバーチャルコンサートを開催する。このコンサートは、特設アイランド上で実施され、スミスのアバターがパフォーマンスを披露する形式である。イベントでは、スミスの楽曲3曲がそれぞれ異なるビジュアル演出とともに披露される。これにより、単なる音楽配信を超えた視覚と音楽の融合を目指している。
今回のバーチャルコンサートは、Sonyがロンドンで開催した没入型ショーケースで初公開され、多くの注目を集めた。Fortniteを舞台にすることで、スミスの音楽はより広範な聴衆に届くことが期待されている。こうしたバーチャルコンサートは、音楽の提供方法に新たな選択肢を提示し、アーティストとファンのつながりをより強固にする手段となり得る。特に、オンライン上での没入感ある体験は、ライブ会場に足を運べない層にも音楽の魅力を届けることができるため、今後ますます普及する可能性がある。
Fortnite内音楽イベントの可能性を広げるアーティストたちの挑戦
Coldplayとマイルズ・スミスが実施するFortnite内の音楽イベントは、メタバースを舞台に新たな可能性を切り開く取り組みである。従来のライブやストリーミング配信では到達できなかった層にも、これらのイベントは直接訴求できる手段となる。
特に、Fortniteのようなインタラクティブなゲーム内での音楽イベントは、アーティストとファンの距離を縮める効果がある。Coldplayのような大物アーティストが参加することで、メタバースにおける音楽の価値が一層高まるだけでなく、今後の音楽業界全体の動向にも影響を与えることが予想される。一方で、マイルズ・スミスのような新進気鋭のアーティストにとっては、バーチャル空間を活用することで、新たなファン層との接点を得る機会が広がることとなる。
このように、メタバースにおける音楽イベントは、アーティストごとに異なる目的や可能性を持ちながらも、共通して音楽体験の多様化を目指している。今後、音楽業界においてこの種の取り組みがどのように発展していくのか注目されている。