人気ゲーム『原神』が待望のカードゲーム「天才召喚 TCG」の物理版をリリースするが、販売は中国国内限定となる。HoYoverseはShining Soulと提携し、11月8日から予約受付を開始する予定で、スターターデッキとブースターパックの2種類が用意される。

スターターデッキには神里綾華や甘雨などのキャラクターカードが含まれ、初心者にも優しい構成となっている。ファンは国内販売に限定される一方、今後のグローバル展開にも期待が寄せられている。

天才召喚 TCGの物理版が中国限定となる背景とは

『原神』の新たな試みとして物理版「天才召喚 TCG」がリリースされるが、その販売は中国国内に限定されている。HoYoverseはShining Soulと提携し、スターターデッキやブースターパックをリリースする予定で、これはゲームのファン層を広げる戦略の一環と見られる。しかし、この中国限定販売にはいくつかの背景が考えられる。

まず、物理版の製造や販売にはローカルなマーケティングや流通が重要となり、中国市場での成功がグローバル展開の鍵となる。さらに、中国では『原神』の人気が特に高く、ここでのテストマーケティングにより、販売戦略を洗練する狙いがあるのではないかと考えられる。

一方で、すでにAmazonなどではファンメイドの『原神』TCGデッキが流通しており、公式が市場に遅れた印象も否めない。公式の物理版が中国限定となることで、海外のファンからは不満の声も聞かれそうだ。しかし、今回の発表は、あくまで中国市場での試験的なリリースと見なすことができ、今後のグローバル展開へのステップとなる可能性も高い。HoYoverseの次なる一手に注目が集まる。

スターターデッキとブースターパックの構成と注目ポイント

Shining Soulが製造を担当する物理版「天才召喚 TCG」には、2種類のセットが用意されている。スターターデッキには、神里綾華、甘雨、重雲といった人気キャラクターが3枚ずつ含まれ、初心者がすぐに遊べる構成となっている。

また、アクションカードやアクセサリーカードも充実しており、基本的な戦術を学びながらゲームに慣れることができる。一方、ブースターパックには、全108種類のカードがランダムに封入されており、特別なホログラフィックキャラクターカードも含まれている。

このホログラフィックカードは、通常のカードよりも高いコレクション価値を持ち、ファンにとっては特に魅力的なアイテムだろう。デッキには、璃月のオーシャンニドなど、ゲーム内で人気のワールドボスカードも登場し、コレクター心をくすぐる構成だ。

Shining Soulが公開したカード画像を見る限り、デザインはゲーム内のカードに忠実でありながら、物理カードとしての高級感も演出されている。カードの品質やデザインが高く評価されれば、さらなる販売拡大の可能性も広がるだろう。

非公式デッキとの競争と物理版の可能性

今回の物理版リリースは、公式の『原神』TCGデッキが初めて市場に登場する一方で、非公式のファンメイドデッキとの競争も避けられない。AmazonやeBayなどのマーケットプレイスでは、既に多くのファンメイド商品が販売されており、その中には品質が高いものも少なくない。中には自作のカードや手作りのダイスを含むセットもあり、ファンの創造性はすでに市場を形作っているようだ。

このような状況下で、公式の物理版がどれだけの魅力を持つかが重要なポイントとなる。HoYoverseとShining Soulは、公式の高品質なデザインや正確なゲームルールの反映を武器に、ファンメイド商品との差別化を図ると予想される。

しかし、価格や入手性の面で非公式デッキが優位に立つ可能性もあり、公式リリースがファンメイド市場にどのような影響を与えるのか注目される。また、中国市場での成功が証明されれば、物理版が世界中で販売される日も遠くはないかもしれない。