Riot Gamesが手掛ける人気FPS「VALORANT」のモバイル版が、いよいよリリースに向けて動き出した。2024年6月に中国の規制当局から承認を得たことで、中国市場がモバイル版展開の重要なステップとなっている。
10月には中国でのクローズドベータテストが終了し、選ばれたプレイヤーがゲーム体験を先行して楽しんだ。この動きは、グローバル展開に向けた布石と見られており、PC版の操作性を再現するための人材採用も活発化している。
「VALORANT Mobile」の中国市場における早期展開が示す影響とは
「VALORANT Mobile」が初めて展開される市場として中国が選ばれた背景には、同国の巨大なゲーム人口とモバイルゲーム市場の成長がある。Riot Gamesは2024年6月に中国の国家新聞出版広電総局(NPPA)から重要な承認を取得し、同年10月にはクローズドベータテストが実施された。
このテスト期間中に、選ばれたプレイヤーが操作性やゲームプレイのフィードバックを提供したことで、開発側にとって貴重なデータが集まったと考えられる。
中国市場での早期展開は、リリース戦略の一環としても注目されている。Tencentという現地パートナーの存在が、中国でのスムーズな展開を支援しており、PC版の成功に続く大規模な普及が期待される。だが、中国での展開が先行することで、他の地域でのリリースが後回しになる可能性もあり、グローバルなプレイヤーの間では待望感が高まっているのが現状だ。
PC版からの移行は成功するか モバイル版開発の挑戦
PC版「VALORANT」は、その精緻な操作性と高度な戦略性が魅力だが、これをモバイル端末で再現するのは簡単ではない。Riot Gamesは、Tencentと連携して、モバイル版でもPC版に匹敵する操作体験を目指している。特に、精密なエイムとスムーズなフレームレートが求められるため、専用のソフトウェアエンジニアリングチームが設けられたことが明らかになっている。
求人情報からも、ゲームデザイナーやプロダクトマネージャーが採用されており、細部にわたる調整が進められている様子が伺える。これにより、プレイヤーはPC版での戦略的なプレイスタイルをそのままモバイルでも楽しめる可能性が高まっている。だが、デバイス間での操作性の違いが新たな学習曲線を生むことも予想されるため、既存のファン層がどう適応するかが鍵となる。
事前登録開始が示すマーケティング戦略とリリース時期の見通し
中国では既に主要アプリプラットフォームで「VALORANT Mobile」の事前登録が始まっており、これはリリースが間近に迫っていることを示唆している。この動きは、Riot GamesとTencentによる大規模なマーケティングキャンペーンの一環と考えられ、リリース日が発表される前から期待感を煽る狙いがある。
「League of Legends: Wild Rift」の例を見ても、中国市場での事前登録はグローバル展開に先行することが多く、今回も同様の流れが予想される。事前登録者には限定スキンや特別アイテムが提供される可能性があり、これにより登録者数が急増することが見込まれている。リリース直前の関心が高まる中、ファンの間では待望のグローバルリリースがいつになるのか、憶測が飛び交っている。