Epic Gamesがリリースした「Fortnite OG」モードは、多くのプレイヤーに過去の記憶を呼び起こしつつ、現代の楽しみ方を提供している。しかし、この新モードにおけるAIボットの過剰な存在がコミュニティ内で物議を醸している。「ボットだらけの試合で楽しみが半減した」といった声がRedditなどで急増し、一部ではロビーの90%がボットで占められているとの指摘もある。

Epic Gamesはスキルベースマッチメイキング(SBMM)の一環として2019年からボットを導入しているが、「Fortnite OG」ではその問題が特に顕著だ。長年のファンが復帰する中、ボットに対する不満は今後のゲーム運営に重要な課題を突きつけている。

ボットの存在がもたらすプレイ体験の変化

Epic Gamesが提供する「Fortnite OG」モードでは、AIボットの存在がプレイヤー間の緊張感や戦略性を著しく変えている。ボットは主に初心者への配慮として導入されたが、このモードでは過剰な配置が問題視されている。Redditでは、ボットが占める割合が高すぎるため、プレイヤー間の競争が希薄化しているという声が目立つ。

中には「試合中、ほとんどがボットで本物のプレイヤーと対峙する場面が少ない」という具体的な不満も投稿されている。この状況は、「ボルトアクションスナイパーライフル」や「ティルテッドタワー」といった懐かしい要素を楽しむプレイヤーの期待を損なう要因ともなっている。

特に、ボットがゲーム後半まで生存することが多くなり、実力が問われる瞬間が減少していることが指摘されている。こうした状況が続けば、古参プレイヤーの復帰が一時的なものに終わる可能性もある。Epic Gamesの次なる一手が注目される。

スキルベースマッチメイキングとボット問題の背景

Epic Gamesは2019年にスキルベースマッチメイキング(SBMM)を導入し、AIボットを活用する仕組みを明確化してきた。このシステムは初心者と上級者のゲーム体験を平等化することを目的としている。しかし「Fortnite OG」では、この設計が意図した以上の課題を生んでいる可能性がある。

専門家やサードパーティツール「Osiron」の分析によれば、ロビー内のプレイヤーの90%がボットであるケースも報告されており、ボット比率の高さが多くのプレイヤーを困惑させている。特に問題となっているのは、意図的にボットが配置されることで試合の一貫性が損なわれる点である。

試合序盤では簡単に倒せる敵が多い一方、後半に実力が接近したプレイヤーと対戦する構図は薄れている。Epicが導入したこの仕組みは、特に「Fortnite OG」のような懐古モードでは不適切である可能性がある。このギャップを埋めるための新たなアプローチが求められる。

Epic Gamesの対応がもたらす未来

Epic Gamesは「Fortnite OG」のリリース後、マッチメイキングの問題を部分的に修正し、新たなデュオモードを導入した。しかし、この修正がプレイヤーの不満解消に十分であったかは疑問が残る。公式のX(旧Twitter)アカウントにはボット問題への皮肉や批判が数多く寄せられ、「本物のプレイヤーがいたのが驚きだった」といったコメントが象徴的だ。

こうした状況を踏まえると、Epicが今後取るべき道筋は、ボットの割合を適切に調整し、スキルに応じた本物の競争を再現することである。また、プレイヤーの意見を反映した新機能の実装やSBMMシステムそのものの見直しが急務といえる。この対応が成功すれば、「Fortnite OG」は単なる一時的なノスタルジアではなく、新たな世代の中心的な体験へと進化する可能性を秘めている。