Riot Gamesは最新アップデートであるVALORANTパッチ9.11を通じ、エージェント「ネオン」に対する大幅な調整を実施した。スライド能力の使用回数削減や射撃精度の調整に加え、アルティメット能力のコスト増加など、彼女の象徴的なスキルが全体的に弱体化されたのが特徴である。
さらに、ゲームの戦術的深みを高めるため、マップピンシステムも改良され、スモーク越しの不公平な行動が防がれる仕様に変更された。これらのアップデートは競技シーンに多様性をもたらし、新たなメタを形成する契機となる可能性がある。
VALORANTの戦術環境は、新たな戦略とエージェントの活用が求められる形へと進化しつつある。Riot Gamesの今回の試みは、ゲームの公平性と戦略性の向上を目指す重要な動きといえる。
ネオンのスライド能力調整の背景とその意図

パッチ9.11で実施されたネオンのスライド能力削減は、競技シーンにおける公平性を追求するための措置である。これまでネオンのスライドは、1ラウンドで2回使用可能であり、敵の攻撃を回避しながら正確な射撃を行うことで強力な影響力を持っていた。
しかし、この能力が過剰に使用され、特にプロレベルの試合では回避性能が戦略性を阻害しているとの指摘があった。今回のアップデートで1回の使用に制限されたことは、単なる数値調整ではなく、移動と攻撃のリスクと報酬のバランスを再評価した結果である。
Riot Gamesは、プレイヤーからのフィードバックを元にした調整であると公式ブログで説明しており、特定のエージェントの過度な強さがチーム戦略に偏りをもたらさないよう慎重な設計を行ったと述べている。これにより、ネオンが他のエージェントと同等の立場でプレイされることを目的としているが、今後の競技シーンでどのように新しいプレイスタイルが生まれるかが注目される。
射撃精度の低下がもたらすゲームプレイの変化
ネオンのスライド中の射撃精度が大幅に低下したことは、彼女の攻撃スタイルに直接的な影響を与える。これまでスライド中でも正確な射撃が可能だったため、ネオンは迅速な回避行動と攻撃を同時に行える唯一無二の存在だった。しかし、今回のパッチで、スライド中の精度がしゃがんだ状態で移動中のエージェントと同等になることで、戦術的選択肢が制限される形となった。
この変更により、プレイヤーは移動中の無防備さを補うため、スライド後の攻撃や位置取りをより慎重に計画する必要が出てきた。スライドを単なる攻撃の一環としてではなく、防御や戦術的撤退に活用する場面も増えるだろう。
特に競技シーンでは、ネオンを採用するチームはより緻密なチーム戦略とエージェント間の連携を強化しなければならない。射撃精度の調整は単なる弱体化ではなく、ゲームプレイの深みを増す可能性がある。
ピンシステムの改良が生む新たな戦術の可能性
ネオンの調整に加え、パッチ9.11ではピンシステムの変更も実施され、これが戦術面に大きな影響を与えると考えられる。特に、スモーク越しにピンが表示されなくなったことは、スモークを活用したリアリスティックな戦略を促進する重要な変更点である。
これまでスモーク越しに敵の位置を共有することが可能であり、この点が戦術の単調化を招いていた。今回の改良により、スモーク内外での状況判断がさらに重要となり、特にポストプラントシナリオでの駆け引きが白熱するだろう。
Riot Gamesがこの改良について強調したのは、ゲームの戦術的多様性を高める狙いがあるからだ。競技プレイヤーにとってはスモークの使い方が戦術の鍵となり、より創造的なプレイが求められる。これにより、競技シーンはよりダイナミックな戦略が飛び交うものへと変化する可能性がある。