フィリピン出身のデュエリスト、ネオンに大幅な調整が加わるValorantのパッチ9.11が12月10日に登場する。彼女のスライド能力の使用回数や精度が制限され、アルティメットコストが引き上げられることで、これまでの戦術に大きな変化が生じる。

一方で、ヴァイスの能力やゲーム内ピンシステムにも注目すべき改良が導入され、スモーク越しの戦術が難しくなる仕様変更が加わった。このパッチはプレイヤーに新たな挑戦と戦略の見直しを促す内容となっており、今後の競技シーンへの影響が期待されている。

ネオンのスライド能力に見るメタ変化の意図

ネオンのスライド能力に対する調整は、彼女の圧倒的なスピードと攻撃性を制御するための重要な一手といえる。これまで2回使用可能だったスライドが1回に制限されたほか、スライド中の射撃精度が大幅に低下した。この変更により、彼女の機動力を活かした無敵感のある戦術は大きな制約を受けることになる。

ライアットの公式コメントでは、この能力が「過剰調整されていた」とされており、競技シーンでの彼女の影響力を抑える狙いが読み取れる。これにより、ネオンの立ち回りにはより慎重な計画とタイミングの見極めが求められるだろう。

従来のスピードを軸とした単独突破戦術から、よりチームに依存したプレイスタイルへのシフトが促進される可能性がある。ライアットがこの調整を導入した背景には、プロシーンにおけるバランス調整が強く意識されていると推測されるが、カジュアルプレイヤーに与える影響も少なくないと考えられる。

ピンシステム変更がもたらす戦術の再構築

パッチ9.11の中でも特に注目されるのが、ゲーム内ピンシステムの仕様変更である。この調整では、ピンがスモーク越しに視認できなくなるほか、スモークがピンを通過しない仕様となる。これにより、スモーク越しの狙撃やスパイクへの対応が難しくなり、特にスモークキャラを主軸とする戦術に大きな影響を与える。

ライアットは、この変更について「本来意図していない使い方」を制限するためと説明しているが、この調整は、ゲーム内のコミュニケーションや情報共有の在り方に大きな再考を促すものとなるだろう。

また、新たに導入されたピン音の違いにより、マップ上の情報伝達の精度が向上する一方で、プレイヤーの習熟には時間を要する可能性がある。この調整は、特定のスキルに依存しないチームプレイの重要性を再認識させる内容といえる。

ヴァイスの強化とその曖昧な評価

ヴァイスに施される調整は「強化」とされているが、その評価は分かれる可能性がある。特に「レイザーバイン」の改良については、開発者が「期待通りの成果を上げていない」とコメントしており、具体的な変更点の詳細は明らかになっていない。

現時点では、彼女の性能向上が直接的な戦力増強につながるのか、それとも操作性の向上程度にとどまるのかは不透明だ。ただし、ヴァイスの改良が戦術的に大きな変化をもたらす場合、彼女を使用するプレイヤーが大幅に増加する可能性もある。

その一方で、改善の程度がプレイヤーの期待を下回れば、単なる調整の域を出ない結果となるだろう。この点については、パッチ後のフィードバックやプロシーンでの使用率を注視する必要がある。ライアットの公式発表をもとに、次回の詳細なパッチノートが待たれる。